講演者名 : 蓑輪 義文(日新電機)、山本 文雄(関西電力)
講演題目 : 「次数間高調波注入による単独運転検出装置の開発」
(JIPE-29-14)
Abstract :

 近年、環境やエネルギーコスト意識の高まりに伴い、風力発電やコジェネレーション等の分散電源が積極的に導入されつつある。分散電源を逆潮流ありで系統に連系する際には、電力系統の事故等により電力会社の変電所の送り出し遮断器が開放された場合、切り離された系統は、分散電源が共に切り離された他の需要家に電力を供給する状態(単独運転状態)となる可能性がある。単独運転状態が発生すると、以下の問題が生じる。

(1) 一般公衆あるいは保守員が充電された電路に触れた場合、感電する可能性がある。

(2) 開放された遮断器の再閉路は非同期投入となるため機器を損傷する可能性がある。

 このような保安上および供給信頼度の問題から、系統側の供給停止時には分散電源側の単独運転を速やかに検出して、系統から確実に解列する必要がある。系統連系については電力系統連系技術要件ガイドライン(以下ガイドライン)で技術指標が示されており、分散電源に単独運転検出装置を設置する方式、あるいは電力会社の変電所と分散電源の間に通信線を設置する方式(転送遮断方式)がある。

 転送遮断方式は、変電所側と分散電源側の双方に転送送受信装置を要し、両者の間に専用通信線を必要とするなど、設置スペースや費用面、保守・運用の繁雑化などの問題があり、単独運転検出装置の設置が望まれている。また、ガイドラインにおいては単独運転検出装置の適用が求められているが、既存の従来方式では、次のような課題が挙げられる。

(1) 装置が引き起こす基本波の擾乱により、系統の電圧変動(フリッカなど)を引き起こす可能性がある。

(2) 分散電源とともに、単独運転検出装置の複数台設置により検出感度が低下し適用が困難となる場合がある。

(3) 系統条件により数秒程度の検出時限を要するため、一段上位系統の再閉路時間と協調がとれない場合がある。

(4) 同期発電機の AVR 信号を利用する方式では、誘導発電機への適用が困難となる。

 そこで、我々はこれらの課題を解決するために次数間高調波注入という新しい方式に基づく単独運転検出方式を開発し、さまざまのシミュレーションや実系統での性能評価を実施し、本方式の有効性を実証した。