太陽光発電システムにおいては、太陽電池(以下、PV と略称)で発電された電力を外部に取り出すために最大電力点追従(Maximum Power Point Tracking: MPPT)方式が採用されている。これは PV の特性が非線形性であることと、PV で発電される電力が日射条件によって時々刻々と変化するためである。この MPPT としては「山登り法」と呼ばれる方式が普通採用されている。
この山登り法では、PV の出力電力を意図的に常に変動させて、変動前の出力と比較することにより現在の出力が最大電力であることを確認している。すなわち、現時点での動作点が最大電力点であったとしても、それを確認するために最大電力点から一旦動作点をずらして最大電力点であったことを確認した後、再度最大電力点に戻すという無駄な動作を周期的に行わせていた。このため一定の日射条件下でも発電される電力は一定せず、常にある周期をもって出力電力が遥動(揺らぎ・変動)する欠点があった。この遥動周期は 0.1 秒のような比較的ゆっくりとした値であるため、日射条件が急変して PV の最大電力点が変化しても、最大電力点追従(MPPT)に遅れの生じる恐れがあった。
本論文ではこれらの欠点を改善し、PV への日射量、PV 温度および PV 出力電圧の 3 変数で数式表示された PV の I-V 特性を用いて通常の PI 制御による MPPT を行う方法を論じる。なお、PV の出力特性は極端な非線形特性であるため、これを数式化した特性曲線をそのまま PI 制御に用いた場合、PI 制御での収斂に問題が生じる。この収斂問題を解決するために PV 特性を関数変換し、速やかに PI 制御が収斂する方法を提案する。本提案の方式では電流センサが不要という特長があり、小電力 PV システムでは特に有利になると思われる。本提案の MPPT 方式を公称最大出力電力5.4Wの太陽電池パネルで実証実験を行い、所期の結果が得られたのでその実験結果も併せ報告する。
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